« 神奈川の「もったいない」 | トップページ | 高校野球 »

2006年7月11日 (火)

県税条例改正に反対

 今日は、本会議最終日でした。住民税フラット化等の県税条例改正などに反対する討論をしました。

 賛成討論する会派はないのでくれぐれも時間が長くならないように事務局から言われていたので、昨日の夜、必死で原稿を書きました。

 アドリブで少しなおしたところもありますが、以下が長くなりますがその内容です。

私は、定県第62号議案、県税条例の一部を改正する条例案他4件の議案に反対の立場から討論をいたします。

最初に討論に先立って一言申し上げさせて頂きます。さる72日投票の滋賀県知事選挙において、京都精華大教授の嘉田ゆきこさんが、自民公明民主3党が相乗りの現職圧勝の予想をくつがえして、市民のボランティア選挙で当選を果たしました。キーワードは「新幹線新駅に650億円もったいない」「大型ダムもったいない」「知事退職金4年で4500万円はもったいない」などの訴えでした。

この選挙が戦われていたその時期にわが神奈川県においては、相鉄線西谷駅からJR貨物線羽沢駅を経由して東急日吉駅を結ぶいわゆる神奈川東部方面線の事業計画が国土交通大臣によって認定されました。
 横浜市西部および県央地域から新横浜駅や東京都心へのアクセスを改善することがねらいとされていますが、事業費
2700億円のこの事業を優先して進めるならば、ツインシティー構想の核である東海道新幹線新駅誘致はどうなるのでしょうか。
 どっちもやりたいなんてそれこそ「もったいない」。新幹線の駅間距離が最長である米原京都間の新駅計画に滋賀県民はいらないとの判断をしました。それより短い新横浜小田原間について新駅は本当に必要なものか、相鉄とJR貨物線の連絡線=
700億円はともかく東急との連絡線=2000億円も同時に事業化する必要があるのか、「もったいない」運動の提唱者の一人である知事には、この際今一度このあたり再検討する事を求めておきたいと思います。

では、まず、定県71号議案について、この議案は、津久井郡藤野町を廃し相模原市に編入させようとするものですが、そもそも藤野町は、JR中央線の駅を持ち、交通圏・生活圏ともに相模原市とは全く異なる地域です。小さな町が自立して生きることを許さず、アメとむちでこのように交通圏生活圏の異なる地域まで合併をしいる平成の大合併は、地方主権・地域主権とは全く相容れないものとなっています。県には藤野のような小さな町の町民が自立して生きる選択を行いうる地域主権のグランドデザインを示す事こそ求められていたものであり、この議案は認められません。

次に、70号議案について、これは県警の新ヘリ調達のための随意契約議案です。今年から新しい入札制度が実施されて、初めて上程された議案であるにもかかわらず、条件付き競争入札を実施したものの、応札が一社しかなく、入札高が予定価格を上回り不調となったために、予定価格の99.12%の見積もりあわせによって契約するという、大変不透明な印象をぬぐい得ない、競争入札のていをなしていない契約であると言わざるを得ず認めることはできません。昨年、橋梁談合に司直の手が入りましたが、鋼鉄橋だとか、このヘリコプターだとか、扱うメーカーが限られた契約については、真に競争性を確保するための手だてをさらに講じる必要がある事を意見として申し上げます。

次に、第62号、県税条例改正議案と、63号、インベスト神奈川の立地企業に不動産取得税の軽減税率を適用する条例の改正について、あわせて意見を申し上げます。

県税条例の改正は、国から地方へ、所得税から住民税への税源移譲にともない、自治体のサービスには応益的負担を求めるもので、3段階あった住民税所得割の税率をフラット化する内容ですが、この間の税制改正は低所得の階層に重い負担を負わせることになります。
 例えば、月
20万円年収240万円の年金を受ける高齢者夫婦世帯の場合、一昨年まで、住民税均等割4000円の負担だけでしたが、昨年は年金控除、老年者控除廃止によって、所得税住民税併せて58000円の増税、今年は定率減税半減でさらに6400円の増税がすでに行われている上に、来年は、所得税が新設される5%の税率になったとしても、住民税が10%に引き上げられ、定率減税の全廃と併せてさらに11500円の増税、なんとこの3年で76000円もの増税となります。

一方、インベスト神奈川の不動産取得税の軽減議案は、今回の改正で中小企業への助成要件が投資規模5億円から3億円に引き下げられることはよしとしても、中小50億円、大企業100億円を基準として、それより大きな投資には四分の三減免、それ以下は二分の一減免と、減税率はフラットせず、業績好調な大企業により大きな恩恵を与えるものとなっています。

住民税の税率はフラット化して低所得階層からむしり取り、一方、企業誘致のためには、大企業に有利な税率区分を維持する、弱きをくじき、強きを助ける、みんなで環境のための負担を分かち合うとしていた水源環境税については、所得700万以下の世帯は超過課税額が倍増、これが公正な税制でしょうか。

所得税住民税の定率減税は廃止されますが、同時に実施された法人税は引き下げられたままです。インベスト神奈川で100億円以上の助成を得ることになる日産自動車の場合、すでにこの法人税減税と研究開発減税によって、2003年度の決算だけをみても500億円以上の減税を受けています。
 格差社会の進行が言われる中で、いま県に求められているのは、限られた財源を政府の経済対策によって十分な恩恵を享受している企業に、屋上屋を重ねて助成することではなく、政府の税制改悪によって
76000円の負担増となる年金世帯の皆さんにも増税額以上の納税の意義を受けとめて頂ける施策をしっかり予算化し、実行することです。
 知事は提案説明において、国の「骨太の方針
2006」について、「改革すべきはまず国であります」と、高く歌い上げる一方、この県税条例改正については、地方税法改正によりとたった一言、形式的説明をされただけでした。三位一体改革の狭間で泣かされることになる県民に、せめて今後の施策や来年度の予算でどのように応えるのか言及もなく提案されたこの議案には賛成できるものではありません。

またこのことに関連して、知事が提案説明で述べられた新しい総合計画について一言申し添えます。
 本年度、今後の神奈川の姿を示す新たな総合計画の基本構想の策定に着手する、
12月議会で議決を求めるとのことですが、基本構想と言えば、憲法では前文にあたるところです。県政を取り巻く社会環境が大きく変化していると言いますが、人口減は逆に先送りとなり、子供や若者をめぐる問題の深刻化などあげられている点は現計画策定の時点で押さえられていたはずです。なぜ、あれだけ難産の末にマニフェストを「昇華」して編成したはずの総合計画を、たった二年でしかも知事選挙直前に改訂しなければならないのか、知事は、あまり政局論で考えずに、政策論で神奈川のよき方向を決めておいていいのではないかと述べられていますが、残念ながら12月に提案であれば、どう考えても各会派の知事選方針にリンクして政局論に左右されるであろうことは目に見えています。

再び総合計画に不幸な船出をさせないために、まず提案時期の再検討を求めるとともに、もし今、あえて、政策の方向性を改めて検討する必要がある点をあげるとすれば、総合計画策定基本方針で「社会的格差の拡大も懸念されている」と述べられているところ以外にはないと考えます。

小泉改革、知事の戦略プロジェクト、いずれも「官から民へ」という大きな方向性のもとに編成されてきました。一定程度古い構造は打破したかもしれないけれど、規制を緩和し、小さな政府をめざしたことが、先程述べたようにいたるところで弱きをくじく結果をもたらして、格差が拡大し不安定な社会を生み出してしまっています。新たに基本構想を立てるなら、この状況を総括し、脱新自由主義の新しい理念と政策の方向性を示すものでなければなりません。

もし、格差の拡大を懸念することにとどまらず、是正に努めるという視点をお持ちなら、今議会においては、県税条例改正のひずみをカバーする施策が示されるはずだし、インベスト神奈川の政策根拠の数値であった事業所・従業員数の減少に歯止めがかかり、有効求人倍率が全国平均を下回る状況が改善された今、勝ち組支援の政策は転換がはかられるべきところです。

そのような観点は全くないままに提案されたこの二議案に反対するとともに、この間の構造改革のかげの部分に対する認識をさらに深めない限り、あらたに基本構想を立てる意味は見いだせないこと、また目前の選挙を考えれば、知事個人に取っては基本構想の議決結果がどっちになっても損はないとはいえ、いたずらに審議を錯綜させる提案時期は避けるべきであると意見を述べて、私の反対討論を終わります。-

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/174161/11192300

この記事へのトラックバック一覧です: 県税条例改正に反対:

コメント

コメントを書く




コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。