今日は9月議会最終日で、反対討論にたちました。
行政施設の指定管理を相も変わらず県の外郭団体ばかりにとらせたり、大手の企業しか参入できない今の仕組みをNPOなどに門戸が開放されるように改革するべきであるという提案と、県立の中高一貫教育校を設置しようとしている計画に意見を言っておきました。
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私は、定県第51号一般会計補正予算第一号、第58号県立高等学校の設置に関する条例の改正、定県第61号他3件の工事請負契約議案、および定県第65号他22件の指定管理者の指定議案に反対の討論をいたします。
まず、今後5年間県立公園や県営住宅を指定管理とするための管理者の選定議案についてです。
指定管理者制度は、地方自治法において、「住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設」と定められた「公の施設」の管理を民間にも行わせることで、サービスの向上と経費の節減を図るものとして導入されました。
私たちは、障害者施設をはじめ、もっぱら住民の福祉、公益を担うが故にそもそも市場化になじまない施設の指定には反対するとともに、制度の導入が、過去管理の委託を受けてきた県主導第3セクターをはじめ外郭団体の硬直した運営と高コスト体質をただし、NPOなど地域住民が主体的に運営を行うことで行政サービスの向上に資するものとなるように、これまで公募の要件や選定の基準を設計することを求めてきました。
今回、3年間の指定管理をへて、再指定の手続きとなったもの29件、新規に指定するもの6件の議案が提案されたわけですが、最大の問題は、知事主催の行政システム改革調整会議において、外部評価委員会や部局の選定会議の判断を逆転させたこと・・・ではなく、相も変わらず県主導の外郭団体を選定したものが35件中22件にも及んでいることであり、一部を除いてこれと評点を競ったのは、東急であり、西武であり、日産であり、オリックスであり、NTTでありと、超巨大企業の関連会社に限られているという実態です。
3年前の指定が、ほぼ3セクが独占する結果となったことから、民間、とりわけ新規参入者、中小事業者やNPOの参入を促す必要があるとの認識が県当局、議会の間で共有され、選定手続き見直しの方針が示されたにもかかわらず、今回、応募団体数こそ増えたものの、選定結果においては見直しの成果はなかったと言わざるを得ないところです。
だから、公平性、透明性を担保するものとして設定された外部委員会の評点をあえて逆転させてまで知事としては民間事業者を選定するという力業に出るしかなかった。
何故こうなったかは明確です。
見直し方針において「団地単位」とまであえて言及して前回の全県一括から適切な募集単位を設定するとしていた県営住宅において、わずか3分割とし、高齢化する集合住宅においてこのところ団地再生をめざして生まれつつあるNPO等が参入できる条件をそもそも摘み取った募集要項とし、経費節減と実績・体制の評価点を、評点の4割とすることで、スケールメリットのない新規参入者がどうもがいても点を取れない審査の基準を設定したことが、かかる結果を導いたのです。
例えば公園管理においては、経費節減や実績の評価に20点を与えているのに、公園の特性や課題をふまえた提案には8点、地域住民や環境に配慮した管理運営には9点しか配分されない、いくら地域密着の中小事業者やNPOが力を入れた提案しても財団や大手にはとうていかなわないのです。
今回、危機管理対応型の募集とされた相模三川公園等に応募した中小事業者は、緊急時に職員2名以上が20分以内に駆けつけるシステムを提案するなど、募集の趣旨にもっとも合致した提案をしていますが、評点では公園協会に大きく水を空けられています。
地域との連携を中心にした意欲的な提案とされた城山公園に応募した津久井町商工会も同様。山のプロであるガイド協会が素人の公園協会に山岳スポーツセンターで負けてしまう。それで行きつくところ、「高コスト体質」「具体的なサービス向上の提案が見られない」と外部委員に評価される財団か、満足な維持管理の予算も計上していない市場原理の大手におちる。
知事は同じ民間でも「安くてもやれますと言ってきているのであればそれを優先させないと制度のメリットがない」と大企業に振るより、このような団体こそ強く押すべきだったのです。
今後は、外部委員会の審査報告書にあるとおり、「現在の指定管理者の優位性を除去すること」「募集単位や業務範囲の見直しの大胆な検討」を早急に行うことを求めておきたいと思います。
次に中等教育学校の設置について。ゆとりある学校生活の中で、個性と才能を伸ばし、豊かな人間性とリーダーシップを備えた人材をはぐくむとして、2校の中高一貫教育校を設ける提案がされています。
選抜に学力テストは行わない、進学校をめざすものではないといいます。経済的に裕福な家庭の子弟には私学に行く道がある中で、前期の3年間は授業料なしで中高一貫教育が受けられるようになることはある意味評価できる面もあることは否定しませんが、私は、今の公教育が直面している課題からして、独立型の中等教育学校を自治体がつくることは間違いだと考えます。
入学者決定方針にこうあります。
「学力検査ではない、教科のみにとらわれない課題発見、解決能力や、よりよい人間関係を築こうとする意欲や自己を表現する力を測る検査」を行うと。
まずこういうことに果たして点がつけられるのかと思いますが、現在の学校現場の問題は、ひとつの教科の基本もままならず、とても課題発見や解決能力どころではないいわゆる「学力不振」とされる子供たちや、自己肯定感を全く持てず、人との関係を取り結ぶこと自体が困難な子供たちの増加、いじめや犯罪という形で暴発的な自己表現に走ることがままある、不登校やいじめや少年犯罪の数字として表現されるこの状況をどうやって打開するかという事ではないでしょうか。
少人数学級編成を急ぐなど、そのためにこそお金も体制も集中するべきなのに、独立型の中等教育学校は、そこから逃げて、さきに引用した能力や意欲や力があるとされる子供たちだけを大人が選り分けて隔離し、新たな器を設ける方針であり、新たな選別、教育格差を生むものと言わざるを得ません。
社会を写す鏡のように多様な個性がぶつかり合う中で、もまれることのない純粋培養では、小さないい子はつくれても困難に立ち向かう本もののリーダーシップは育まれないのではないでしょうか。
とくに現相模大野高校を改編する相模原校は、敷地の隣が相模原市立大野南中学校。同じ通学路を通いながら、入る門が違う、これはちょっと残酷なことではないでしょうか。そもそも、今回2校の設置は、県域の南北に一校ずつということですが、中高一貫校への選択の幅を用意すると言うことなら、私学の立地の数からして南北ではなく、東西に分けて、県西部に2校とするべきところですし、政令市と横須賀市は市立高での取り組みを期待するとしていますが、そうであるなら相模原が政令市方針を出した段階で相模原方面校の計画は白紙にすべきものだったのではないでしょうか。
今回の中等教育学校設置は理念からも、具体の設置計画からしても賛同できるものではありません。ただ、運営方針によってはそのゆとりが学力とともに人間力も育てる場となりうることも私は否定しません。・・・・・・
公立が一貫教育を取り組むなら、私は、6年制の独立型ではなく、このほど愛川町で検討されている、また全国的には圧倒的に多数を占めている、中学段階での選別を行わない市町村立中学との連携型こそ進めるべきであり、その趣旨を生かすには接続する高校における連携枠の定員は2割ではなくもっと広げてしかるべきだと考えています。是非検討を求めておきたいと思います。
次に、提案された5件の工事請負契約議案について。うち3件において最低制限価格を下回る入札があり、いずれも複数の失格社を出しています。西湘高校改修工事では、参加者の半数が失格、以前から指摘してきましたように、これはもはや不良工事のおそれやダンピングすなわち不正競争と言いつのるべきものではなくなっています。
原材料費の高騰対策、下請けいじめ防止の措置をしっかり施した上で、最低制限価格は撤廃する方向でさらなる入札改革を講じる必要があると改めて求めておきます。
最後に補正予算案に一言。現在審議中の政府の補正予算案と同じく、目下の金融恐慌前夜の情勢にまったくかなっていないものであることはさておき、問題は一つ。来年のみどりの愛護のつどいの行啓準備費540万円です。
これも以前から申し上げていますが、みどりの保全も森林再生も皇室に頼ったりしないで進めるべきもの。戦後この方、毎年の植樹祭に欠かさず天皇は行幸してきましたが、日本の山が今、荒廃を極めているのは紛れもない事実。すべては政策次第なのです。
昨日のテレビでは、雅子さんが8大行啓の公務を休んで、学習院の運動会に出かけたとまたバッシングされていました。この際、松沢知事においては、水源環境税を創設し、また地球温暖化対策条例では大規模な開発に対策を求める規定を盛り込もうとするなど、みどりの保全を独自に追求する立場から、全国持ち回りで50年一日のみどり愛護のつどいは、返上、少なくとも八大行啓行事からはずして開催することとすべきではないでしょうか。よってこの補正予算案には賛同できません。
以上主な反対理由を述べて私の反対討論を終わります。
ご静聴ありがとうございました。